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No.013 天才ヨウムのアレックス 2012年12月19日 生態 トラックバック:0コメント:2



小学生の頃、小鳥を数羽飼っていたことがある。

当時、小鳥を飼うのが流行りだったのか、

あちこちの家の庭先に鳥駕籠がぶら下がっていたり、

縁側に置かれていたりする風景をみかけた。

最初に飼った小鳥は、十姉妹。

人馴れはしていないものの、

ツボ巣に入って家族仲むつまじい様子を眺めるのが楽しみの鳥だった。

その後、オスのセキセイインコを飼った。

こちらも人馴れはしていなかったが、よくしゃべる。

暇さえあれば、しゃべる。

おしゃべりの内容をよく聞いていると

どうやら日常的に家族がしゃべっている言葉をじっと聞いていて

それを憶えていてまねしているらしい。

それは言葉の内容を理解してるわけでなく

単なるまねっこだと思っていた。




一般に「鸚鵡返し」という言葉があり、

オウム・インコ類は物まね上手と言われている。

チンパンジーやゴリラは手話はできるが、喋ることはできない。

現生の生物で人類と直接会話できるのは鳥類しかいない。

オウムが言葉をまねることは昔から知られていたが、

最近の研究では「まねる」のではなく「会話している」ことが解明されてきた。

「まねる」という表現はある意味では正しく、

ある意味では不正確である。

鳥の物まねは、条件反射的な模倣ではなく、

意思疎通の手段として行われているのだ。

「まねる」と言う行動はほとんどの鳥類が持つ習性だそうだ。

その鳥のもっている「まねる」という習性を使って

鳥の知能の高さを研究している、世界的に有名な学者が

アイリーン・ペパーバーグ博士、

そして、その研究対象となったのがヨウムのアレックスだ。




その研究内容が驚きに値する。

アレックスは、50もの物体、また大きさや色、

そして数を認識する能力をも持っているというのだ。

3セットの物体をアラビア数字を使い最大8まで足算をすることができたそうだ。

アレックスは2007年に死亡しているが、

生前研究チームは彼の数の把握能力を検証していたとのこと。

例えば緑色のブロック4個、赤を2個、青を5個提示されたとき、

アレックスは「5個はどの色?」という問いかけに対し

「青」と答えることができた。

アレックスは数の概念を把握していたと考えられている。

さらに別のヨウムに対し

「クリック音を2回鳴らし、鳴らした数を答える」

という実験を行っていた際、

始めに2回鳴らしたときにこのヨウムは何も答えなかったため

さらに2回鳴らしたところアレックスが横から「4」と答え、

さらに2回鳴らしたところ「6」と答えたとのこと。

このことからアレックスには数を把握し

足していく能力があることに気づいた研究者は更に実験を重ねたそうだ。

その結果、お菓子のジェリービーンズとクラッカーといった別々の物体の合計が6以下であった場合

正確に足し算を行えることが分かったという。

その後アレックスは色付きの数字マグネットを使いアラビア数字を覚え、

これを用いた足し算を行えるようになったとのこと。

また、3つのコップの下に隠したジェリービーンズなどの物体を見せられ、

その合計を答えるという実験も平行して行われたとのこと。

どちらの実験も最後まで終わらせることなくアレックスはこの世を去ってしまったそうだが、

その正答率は偶然より高かったとのこと。

現在人間以外で数を合計する能力が実証されているのは

ヨウムのアレックスと、チンパンジーだけである。




以下ナショナルジオグラフィックより引用。

動物に心の内を直接聞いてみたい・・・。

1977年、大学を出たばかりの研究者アイリーン・ペパーバーグは、

こう考えて大胆な実験を始めた。

彼女は1歳のヨウム(オウムの一種)を研究室に持ち込み、

アレックスと名づけて、人間の言葉を教えることにしたのだ。

「意思疎通ができるようになれば、

鳥がどんなふうに世界を見ているか、話を聞けると思ったんです」

ペパーバーグが実験を始めた当時、多くの科学者は、

動物に考える力などないと思っていた。

ロボットと同じように決まりきった反応しかせず、

思考や感情とは縁がないと決めつけていたのである。

いや、うちの犬は違いますよ、と言う人もいるだろう。

だが、そんな主張はなかなか通らない。

動物に思考力がある、言い換えれば、

まわりから得た情報をもとに行動する能力があると科学的に実証するには、どうすればよいのか。

「そのために、アレックスに協力を仰いだわけです」とペパーバーグ。




記憶する、文法や絵文字を理解する、自意識をもつ、

他者の思惑を推察する、動作や行動をまねる、

何かを創り出す・・・・・

こうした能力は、高度な知能をもつことを示す重要な指標とみなされている。

さまざまな実験を通じて、動物たちにもこのような能力があることが、

少しずつ明らかになってきた。




アレックスの英語学習歴は長く、

ペパーバーグと代々の研究助手が30年にわたって指導してきた。

ヨウムは集団で生活するので、仲間との交流が欠かせない。

アレックスにとっては、研究スタッフが仲間のようなものだが、

本物の鳥の仲間として、若いヨウムも2羽飼われている。

ペパーバーグはアレックスをシカゴのペット店で買った。

後でほかの研究者に「どうせ天才ヨウムを選んだのだろう」

と言われたくはなかったので、鳥選びは店員に任せた。

ヨウムの脳は、クルミの実ほどの大きさしかない。

言葉を教え、考えを聞き出そうとしても、

ただの徒労に終わるだろうと、大半の研究仲間は高をくくっていた。

手話や絵文字(シンボル)を使って動物とコミュニケーションをとる研究は、

これまでにもチンパンジーやボノボ(ピグミーチンパンジー)、

ゴリラといった類人猿を対象に行われ、多くはめざましい成果を挙げている。

たとえば、カンジと名づけられたボノボは、

多数の絵文字を使って、研究者と“会話”する。

会話といっても、カンジの場合は相手の顔を見て、

口を開き、言葉を発するわけではない。

ペパーバーグはそれを鳥にやらせようというのだ。




◎アレックスの英語学習法

ペパーバーグが席を立って鳥かごに近づくと、アレックスはくちばしを開けた。
 
「ブドウ、ホシイ」
 
「まだ朝食をあげてないので、ちょっとご機嫌ななめなんです」とペパーバーグ。

助手がブドウとサヤインゲン、薄切りにしたリンゴとバナナ、トウモロコシを容器に入れた。

忍耐強い指導のかいあって、アレックスは発声器官である鳴管を使って、

100語近い英単語を発音できるようになった。

朝食に出された食べ物の名前もすべて言えるが、リンゴのことは「バネリー」と呼ぶ。

「味はバナナっぽくて、見た目はちょっとチェリーみたいな果物―そんな意味で、

アレックスが考えた造語なんです」

数も1から6まで数えられるようになり、今は7と8を練習中だという。

「7も8も、もうわかっていると思います。

たぶんもう10までは数えられるでしょうが、発音はまだ練習中なんです。

音によっては、教えるのにかなり時間がかかるものもあるんです」

朝食がすんでも、アレックスはときどき身を乗り出すようにして、

くちばしを開け、声を上げていた。「ス、ス、セ……ウン」

「よくできたわ、アレックス」。ペパーバーグがほめる。「セブン。その数はセブンよ」
 
「ス、ス、セ……ウン! セ……ウン!」
 
「鳴管をどう使ったら正しい音が出せるか考えながら、自分で練習しているんです」

鳥が人間の言葉の手ほどきを受け、その上、自主的に練習もするなどと言われても、

ちょっと信じられないかもしれない。

だが、アレックスという実例を目のあたりにし、その声に耳を傾ければ、納得がいく。

ご褒美の餌をもらえるわけでも、かぎ爪をたたかれて強制されるわけでもない。

それでも、あくまで自分から繰り返し音をまねようとする。

ペパーバーグは、アレックスにセブンという言葉を何十回も言って聞かせた。

「繰り返し聞いて初めて、正確にまねできるようになるんです。

私たちは、アレックスが人間の言葉を覚えられるかどうかを調べようとしているわけではありません。

言葉をまねる能力を利用して、鳥のもつ認知能力を探りたい。当初からそれが狙いでした」




◎動物の認知能力を探る

鳥が世界をどう見ているか、初歩的な質問をする準備は整った。

アレックスにいきなり、何を考えているのか聞くのは無理でも、

数や形、色の識別についての問答ならできる。

ペパーバーグは実際にやってくれた。

まず、棚のかごから緑の鍵と緑の小さなカップを出し、アレックスに見せて聞く。

「何が同じ?」

アレックスは迷わずにくちばしを開けた。

「イ、ロ」
 
「何が違う?」
 
「カタチ」

続く20分間、アレックスは色や形、

大きさや材質(木材、金属、ウールなど)の違いを見分けるテストを次々に受けた。

さまざまな色の積み木の中に黄色いものが何個あるかを数えるなど、

簡単な数の勘定もできた。

そればかりか、英語のレッスンを受けていた別の若いヨウムが

「グリーン」という単語の発音をまちがえたのを聞きつけ、

大声で「ハッキリ、ハナセ!」と言ったのだ。

僕だっていろいろ考えている。

そう言いたいかのようだ。

「生意気なこと言っちゃだめ」と、ペパーバーグは首を振ってたしなめた。

「アレックスは今やっていることは全部わかっているので、退屈してよそに口をはさむんです。

わざとまちがった答えを言って困らせることもあります」

「キ、イキタイ」。アレックスがぽつりと小声で言った。

アレックスは生まれてこのかた、ずっと室内で暮らしてきた。

だが、研究室のドアの向こうにニレの木があるのを知っていて、

その木を見ると機嫌がよくなるのだった。

ペパーバーグは手を差し出して、アレックスをその上にとまらせ、

廊下に出て、木漏れ日の差し込む窓辺に向かった。

「イイコ。イイトリ」。

アレックスはペパーバーグの手の上でうなずくように首を動かした。

「そうね、あなたはいい子よ。いい鳥よ」。

ペパーバーグは小さな頭にキスをした。

アレックスは最後までいい子だった。

死ぬ前にとうとう「セブン」の発音を習得したと、

ペパーバーグは誇らしげに報告してくれた。

「同じ」と「違う」の意味がわかるなど、

アレックスが示した認知能力の多くは、一般には高等な哺乳類、

とりわけ霊長類だけがもつものと考えられている。

だがオウムも、複雑な社会集団の中で暮らす動物だ。

仲間との関係やまわりの環境は絶えず変わる。

変化への対応を迫られるのは、鳥類も霊長類も同じだろう。

「果実の熟し具合を見分けるには、色を識別できないといけません。

姿かたちから、天敵を察知する必要もあります」と、ペパーバーグは説明する。

「色や形がわかり、数の概念が芽生えてくれば、群れの現状を把握できます。

交尾の相手がいる鳥といない鳥を区別するのにも役立ちます。

長生きする鳥は、本能だけでこうした判断をして生きていくのは無理です。

認知能力が必要になってくるはずです」

周囲の事象を心の中で抽象的な概念にグループ分けする能力は、

動物にとっても重要であるはずだ。

人間の知能も、その延長線上にあるものだろうか。

ダーウィンは進化論を人間の脳にも当てはめて、

人間の知能の発達過程を説明しようとした。

人間の心理や知能は、より原始的な生物のもつ能力から進化してきたはずだ。

どの動物も、生きていく中で同じ課題に直面するからだ。

ダーウィンはミミズを観察して、

どの動物にも知能の萌芽のようなものがあるのではないかと考えた。

しかし、20世紀初めには、こんな考えは相手にされなかった。

多くの研究者は、動物を機械のようにみなす行動主義の立場をとり、

マウスを使った室内実験に没頭した。

だが、動物が刺激に反応する機械にすぎないなら、

人間の知能はどのようにして誕生したのか。

人間がすぐれた認知能力を獲得した過程を生物学の見地からきちんと説明するのは、

進化論的な視点抜きでは不可能だ。

時代の流れは、“動物=機械”説からダーウィンの進化論へと徐々に移っていった。

そしてさまざまな動物の研究から、

認知能力の起源は非常に古く、多種多様であることがわかってきた。







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空を飛んだり、巣を作ったり、

エサを探したりする以外のことができるのが知られている鳥は、

アレックスが初めてではない。

アメリカカケスはどうやら特定の出来事を覚えていられるようだし、

キツツキフィンチはエサを得るのに道具を使うことで知られている。

ニュージーランドに住むキーアやカレドニアガラスも

嘴や足を器用に使い、考えながら行動することでも有名だ。



アレックスの知的能力は、クルミほどの大きさの脳しか持たない動物にも

人間のしていることの一部はできる、ということを示し、

ほかの種の鳥の能力の研究に道筋をつけてもいると、

ペッパーバーグ博士は語る。

アレックスの能力が紹介されることは、

ヨウムのような絶滅のおそれのある鳥を保護する助けにもなるだろう。

「基本的に、知覚力と知性を持つ、われわれに近い生き物のほうが、保護しなくてはという理解を得やすい」

とペッパーバーグ博士は語る。



さらに、アレックスに数や形や色を教えるのに使われた手法は、

自閉症や注意欠陥障害などの学習障害のある子供たちに、

他人への共感などのスキルを身につけさせるのにも役立っているそうだ。



残念ながらアレックスは、

2007年9月、31歳の若さで亡くなった。

「鳥は、思考して話す」という驚愕の事実を証明して〜CNN、ABC、Time



You be good. I love you.(和訳:「マタネ。愛シテル」)

死の前の晩、

アレックスはペッパーバーグ博士にいつも通りの挨拶をし、

永遠の眠りについた。




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コメント

とてもに参考になりました。知りたかった事柄がすべて書いてありました。ありがとうございます☻
  1. 2013/10/19(土) 15:18:41 |
  2. URL |
  3. きゃべつ #BWKFza2M
  4. [ 編集 ]
きゃべつさん♪
はじめまして。
まずは、こんなマイナーブログを読んで頂いてありがとうございます!
返信遅くなり失礼致しました。
実は一ヶ月ほどNew ZealandとAustraliaに鳥見旅に行っておりました。
追ってその様子は本ブログに綴っていこうかなって思っています。
さてさて、アレックスのこと。
キャベツさんもアレックスのことに興味がおありだったんですね。
私は4年前に鳥を飼い始めてから鳥の虜になり、
ここでも最初に書いているのですが、
特に鳥の、「アート・デザイン」「生態」「種の保存」に興味があり、
このブログではそんなことを思ったときに綴っているきままブログです。
よかったらまた覗きにきてくださいね。
  1. 2013/10/25(金) 11:47:42 |
  2. URL |
  3. zon #hppixQaA
  4. [ 編集 ]

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