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No.008 カカポ 2012年12月13日 生態 トラックバック:0コメント:0

カカポ2


前記事で、ニュージーランドの巨鳥モアが登場する物語を紹介したところで、

そろそろ私が一目惚れした、同じくニュージーランドの固有鳥「カカポ」のことを記しておこうと思う。


カカポの魅力をどう語ろうか?

自分の拙い表現力では、魅力を伝え切れない。

そこで、ネットで検索したら、

すばらしく的確にカカポの魅了をあますところなく伝えていらっしゃる方が。

『カカポ募金』代表・内田泉さんです。

以下は、内田さんの文章の引用になります。



++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


ネコのように遊び、ブタのように鼻を鳴らし、フクロウのように夜中に動き回り、

ウサギのように穴を掘って子育てし、人間の赤んぼうほどの大きさがあって、

フリージアの花の匂いがするへんてこないきもの。

これが、ニュージーランドで絶滅の危機にある飛べないオウム、カカポです。



カカポ(和名フクロウオウム)は、ニュージーランドの太古の森の住人です。

そのことをはっきりと教えてくれるのは、カカポの羽の色です。

カカポの羽は、日だまりの黄色、やわらかな芽吹きの黄緑、夏の空の下の眩しい緑、木陰の深い緑、

そして曲がりくねって伸びる枝の茶色と、

あらゆる森の色が微妙にブレンドされていて、実に美しいのです。

この羽はカカポの唯一の防衛手段でもあり、鳥たちは恐怖や不安を感じるとぴたっと動きを止め、

誰からも見つからないようにとひたすら願います。



幸いなことに、ニュージーランドの森には今は絶滅してしまった

巨大ワシの他にはたいした敵もいなかったので、

カカポはワシたちの寝ている安全な夜に活動することにして、

飛ぶこともやめてしまい、地上生活を続けました。

そのうちに足がどんどん太く丈夫になり、体には脂肪がついて寒い山の中の暮らしも平気になり、

現在では最高で体長60cm、体重4kgにも達するオウム類で世界一の重量級となりました。



カカポの変わっているところはそれだけではありません。

恋の季節になると、オスたちは特別のダンスを披露するのです。

カカポは、ふだんはオスもメスもナワバリを持ち、

単独で暮らしていて、他の鳥と出会うのを好みません。

しかし、繁殖期になると、カカポのオスたちは自分のナワバリを離れ、

10羽以上も山の上の方に集まってきて、自分の体がスポッとはまるくらいの浅い穴を掘ります。

そして、そこに一晩中座り込み、

胸のところにある空気袋を大きく膨らませて風船みたいにまん丸くなり、

お腹から空気袋に響くような音を出します。

これが「ブーン、ブーン」という音となって、穴の壁に反響し、

山の裾野まで何キロも渡って伝わっていきます。

これを聞きつけたメスが、とことこと山の上までやってくると、

いよいよオスたちのダンスコンクールがはじまります。

彼らはメスの気持ちを惹こうと、普段使わない美しい大きな羽を広げ、

片足ダンスをしたり、後ろ向きに歩いたり、枝をくわえたり放したりします。

メスは、気に入ったオスと短い契りを結び、

すぐに自分のナワバリに戻ってひとりで子育てをするのです。

しかし、「10羽以上も山の上に集まってきて…」と書きましたが、

実際には、これを見た人は誰もいません。

実は古い昔の文献の中でしか、お目にかかれない光景なのです。



ニュージーランドで本格的にカカポの保護がはじまったのが、1970年代のこと。

このころは、カカポが本当にまだ生き残っているのかどうかも分からず、

最後の砦であるフィヨルドランド地方の険しい山の中から

やっと10数羽の鳥が発見されたとき、その全てはオスでした。

つまり、この山の中のオスたちは、毎年、夏の繁殖期が来ると、

もう山にいなくなってしまっているメスを求めて、

夜ごとに「ブーン、ブーン」と呼び続けていたのです。



なぜ、そんなに数が減ってしまったのでしょうか。これは人間のせいなのです。



ポリネシアから船にのって人間がはじめてニュージーランドにやってきたのが、

1000年以上前のこと。

目の前には豊かな森が広がり、耳を覆いたくなるような鳥のコーラスが聞こえていました。

定住をはじめた彼らは、中でも巨大な鳥モアを狙い、

モアを燻り出すために広範囲の森に火をつけました。

大きくて美味しく、美しい羽を持つカカポも格好の獲物でした。

おまけにカカポは、夏になると「ブーン、ブーン」と鳴いて居場所を教えてくれるのですから。



今から200年ほど前になると、ヨーロッパから白人がやってきました。

ヨーロッパ人は一層の激しさで森を焼き払って牧場にし、

さらにネコやイタチ、ネズミ、オコジョなどの肉食動物を連れてきました。

住みかを失い、見たこともない天敵が現れたこの土地に、

のんびりした太古のリズムで生きていたカカポが生き残るのは、不可能に近いことだったのです。



幸いなことに、1980年代に入って、南島のさらに南に位置するスチュワート島にも

カカポが生き残っていることが分かり、メスも発見されました。

ニュージーランド自然保護省はネコやネズミのいない離れ小島に保護区を作り、

鳥たちをそこに放して管理していますが、いまでもカカポの総数は、

たった62羽にすぎません。(2012年現在では150羽程に増えています)



そこで、ニュージーランドを代表するこの魅力的な鳥たちの未来を救うために、

自然保護省は現在『カカポ絶滅救済計画(Kakapo Recovery Programme)』に取り組んでいます。

また、私は日本でこのことを知り、1990年にカカポ基金という小さな非営利団体を設立して、

有志から『カカポ絶滅救済計画』へ寄付を届ける仕事を続けています。

毎年の寄付金は5,000ドルから10,000ドルで、

これはカカポの人工孵化器の購入などに使われています。

昨年11月『カカポ絶滅救済計画』は、

より多くの人に保護活動について知っていただくことができるように、

ホームページを開設しました。(http://www.kakaporecovery.org.nz)

カカポの歴史から生態、保護活動の内容や最新情報など、

内容の充実したとてもきれいなホームページです。



これに対して、日本のカカポ基金は、自然保護省および王立森林鳥類保護協会と協議して、

このホームページを日本語化するボランティアプロジェクトを担当することになりました。

この日本語化プロジェクト『HonyakuKakapo』はメーリングリストを利用して行われ、

カカポ基金のスタッフばかりではなく、自然に興味のある人、翻訳勉強中の人、

インターネットを利用した共同作業に興味のある人など多くの人が参加しています。

まだ4月下旬にはじまったばかりなので、おそらく4~5ヶ月はかかると思います。

その間、どんなことをしているのか覗いてみたい方、

翻訳やIT技術の面で手伝ってくださる方がいらしたら、

いつからでも気軽に参加していただきたいと思っていますので、是非ご連絡ください。

担当者:内田(PXI12631@nifty.ne.jp)プロジェクトのホームページから参加することも可能です。
http://www.egroups.co.jp/group/HonyakuKakapo



6000万年の歴史の中で進化した鳥が、過去たった1000年の変化によって窮地に追いやられてしまう。

カカポは地球上の環境問題のほんの一例にすぎませんが、

多くのことを象徴している存在だと思います。

カカポの保護が成功し、それが他の土地、

特に日本のような島国にとっても大きな参考となることを、私は期待しています。



カカポ基金代表・『HonyakuKakapo』プロジェクト管理人
ライター・翻訳家 内田泉

KIAORA MAILニュージーランド掲載 2001.05.14




カカポ3





内田さんが上記の文章を書かれてから11年ほどが経ちました。

2001年に62羽しか残っていなかったカカポも、今ではその倍以上、150羽に増えるほどに。

懸命に保護活動をする方々には感謝の気持ちでいっぱです。

極力自然の状態の中で繁殖させようとするためのスタッフの努力は並々ならぬものとお察しします。

この先も、引き続き順調に繁殖が成功し、

たくさんのカカポが育っていくことを見守っていきたいと思います。






◆カカポギャラリー


◎カカポ―月の子ども うちだ いずみ (著)、さじ ちあき (イラスト)

ニュージーランドの深い深い森の奥に昔から住んでいた鳥、カカポ。
ユニークで愛嬌のある、飛ぶことを忘れてしまったオウムの一種。
美しいイラストでカカポの生態、悲劇的な歴史を紹介。
印税の一部はカカポを保護するための「カカポ基金」に提供されます。

月の子ども



◎Kakapo Rescue: Saving the World's Strangest Parrot (Scientists in the Field)

カカポ本2





◎カカポの鳴き声を聞くことができるサイト・・・New Zealand birds

前半は普通時の鳴き声、後半はボーンボーンという鳴き声が聞こえます。

カカポ5



カカポ4







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